今年はなんだかんだで、まだ、メインのオーディオはマルチアンプ仕様に戻していない。
夏の間もデジアン.仕様にはしないで主にEL34のシングルで聴いていた。 ところが、長年使っていたSylvaniaの6SL7WGT (茶ベース・・・こんなの)が 時折りシーとノイズを出すようになってきて、なんだかなぁと思うようになってきた。 秋葉原へ行って気にいった物を探して来ればよいのだけど、まだ、何となく都会の雑踏へ繰り出すのが嫌な感じだ。 そこで、MT管の双三極管をいくつか買ってあるので、それの音をこのEL34のシングルで聴いてみようと思い、 6SL7(GT管8ピン)を使った本体に12AX7(MT管9ピン)などを挿せるようにする変換アダプターを買ってみた。 なんてことは無い。GT管(♂)の7番ピンがMT管(♀)の9番ピン(ヒーターセンター)に接続されていて、 GT管(♂)の8番ピンがMT管(♀)の4番ピン・5番ピン(ヒーター)に接続されているものだ。 そして、各電極が対応するピンに引き出されているようになっていて自分で作れば良いのだけど、 出来合いのモノを2つ買ってみた(この画像検索の真鍮ベースのもののどれか)。 ![]() これを使って家にあるMT管の双三極管をいくつか聴いてみる。上画像の左から ①JJ ECC803S-GP 元箱は開いていて、上画像はこれが挿さっている。 ②SOVTEK 12AX7WA 現行のは灰色プレートだけど、これはニッケル色のプレートのようだ(1本650円)。 ③RCA(新ロゴ)5751 μ=70で6SL7と同程度の増幅度(12AX7はμ=100なので、比べては低い。) ④Sylvania 6SL7WGT 長年使ってきた球。 ⑤JAN 12AX7WA 白い軍箱。中身は緑色の消えやすいプリントのPhilips ECG 12AX7WA。 ⑥GE 12AT7 12AT7はμ=60で6SL7より少し小さい値。一方の元箱はボロボロ(1本1350円)。 ちなみに終段のEL34はエレハモ.のEL34でこの記事の通り。3極管結合されておりオーバーオールのNFBはかけずに 出力トランス2次側から3dBちょいのカソード帰還をかけている。 前段の電圧増幅は双三極管をパラにした1段の増幅段。この段のゲインを本アンプの定数でシミュレーション(TINA-TI)してみると、 12AX7WA・ECC803S-GP(μ=100)で34.5dB、5751(μ=70)で33.0dB、6SL7WGT(μ=70)で32.2dB、そして 12AT7(μ=60)では31.7dB となるようだ。 この変換アダプターでの変化を云々しないつもりで①~⑥を聴いてみる。 各真空管は6L6系(5881)ppアンプの初段で程々に遊んでいるから新品では無い。変換アダプターに挿して音が出ることを確認して 5分ほど小さな音で鳴らしてから、いつも聴いているボリューム位置で聴いている。プリアンプは東京光音の40ステップのATTを ボリュームとしているのでボリューム位置の再現性は確実と考えている。 ①JJ ECC803S-GP 現行JJの一番グレードの高い12AX7相当、欧州名の球。足はピンが金メッキしてある。 比較的長いプレートで管体も心持ち長く見える。まずはクリアで抜けの良い音。高音の方にも気になるところは無く 音数がとても多い。低音が深く沈み込むし、リリースも長く奥行きが良く出る。とても良い感じではあるけど ドビュッシーの映像を聴いていたら、水面の反射のキラキラが少しばかりキツイ気がしたのでスピーカーのHI(ホーン)の アッテネーターを1dB下げている(以下この設定で聴いている)。現行品で量販店でも入手可能で、かなり具合の良いものだと思う。 ②SOVTEK 12AX7WA ’90年代に秋葉原で買ったもの。その頃はSOVTEKなんてチョッとしたキワモノだったと思う。 現行のモノとは違いプレートはニッケル色。硬いのか?そうカチカチの音。カツーンと来るし低弦もゴリッと出てくる。 最初はちょっと聴き辛いかなと思ったけど、リリースやスピーカーの外に拡がるような音もキチンと出ている。 オケ.の弦の分厚い重なりがサラリと薄いと最初は思ったが、良く聴くと一人一人の音が積み重なっての弦セクションだと 言う事が容易に理解出来る様な音だ。音楽性云々は判らないけど、律義で真面目な音だと思った。 ③RCA(新ロゴ)5751 RCAの丸っこい新ロゴのプリント。航空用途に信頼性を高めた高信頼管でGEがオリジナルらしい。 データシートによるとμ=70で今まで聴いてきた12AX7系と違い、だいぶ小さい。しかし、このアンプの設計オリジナルの6SL7と同程度である。 何だか不思議な風情がある。音が出る前の緊張感みたいなものをあまり感じさせないでスルッと音がでてくる感じがする。また、オケ.等で、 楽器と楽器の間で旋律が引き継がれてながら綿々とつながっていく様な感じのところでは、気が付くとその旋律は終わっていて、楽器の種類を 意識しなくても良い様な時がある。音はキチンと出ていて十分に聴けるのだけど、聴いた時のひっかりが無く少しだけ物足りない感じがある。 ④Sylvania 6SL7WGT 長年これで聴いてきたからの贔屓もあるが、一番落ち着いて聴いていられる。まぁ、確かにアメリカ的にパッカーンと 何のてらいもなく音が出てくるところもある。そして、声楽などを聴いても歌詞のねっちこい思い入れとは無縁に、どんどんと進んで行ってしまう あたりは③のRCAの5751と似ているかも知れない。また、①のJJ ECC803S-GPを聴いている時にHI(ホーン)のアッテネーターを1dB下げたが ここで戻すような事は無かった。体調による誤差程度のモノなのだろか? ⑤JAN 12AX7WA また、12AX7系(μ=100)に戻る。 ここまであまりゲインの事を気にしないでいたが、これは全部の帯域で音が大きくなった感じがした(カンジニアリングで2dBちょい)。 オケ.の木管などの真ん中への定位が甘いというか、はっきりしない感じがする。実体感が薄い感じ。その代りと言ってはいけないのだけど ボーカルにかかったエフェクトがぼわっと左右に強く拡がったりしてビックリさせられる。Philips ECG は 元Sylvania だからと思っていたいけど、 随分と④とは勝手が違う。そして、雑とは言わないけど少しばかり大掴みすぎる感じがする。何かがおかしいのかな? ⑥GE 12AT7 これは変だった。チューバがブリッとして、コントラバス軍団がダダダーンと押し寄せてくる。雛段の上のトランペットが 奥高くから朗々と鳴り響いてくる。でも、ヴァイオリンとかはしょろしょろしていて何だか煮え切らない感じで、ピアノを聴いても何だかモッサリと していてはっきりしない。低音と高音の質感(?)が合っていない感じ。HIのアッテネーターを2dBも上げるとバランスはそれっぽくなるけど 質感(?)の違いは揃う事は無かった。これを使うからには単に差し替えでは済まなくて、周辺回路定数の更なる検討が必要なのかもしれない。 以上、球転がし(こういう言い方はキライだけど)的に聴いてみたけど、単に6SL7と差し替えて聴いてみれば、12AX7系はまあ何とか、選べばいける。 5751も1種類だけだけど少しエクスキューズがある程度で、そんなに悪い訳では無い。12AT7系は1種類だけだけど、どうもそのままではダメそう。 当然のことながら12AU7系(μ=17)や12BH7(μ=16.5)ではゲインが足りないし、プレート電流も増えるだろうから差し替えは止めておこう。 ④のSylvania 6SL7WGTの困ったノイズは、温まってくると時折りシーという音が出る程度で、管体を指先でピーンと弾いてやるとしばらくは出なくなる。 左右を入れ替えるとノイズが出るチャンネルが入れ替わるから、片方の球で発生しているノイズだと思う(判る様に印が付けてある)。 ここしばらくは、具合の良かった①のJJ ECC803S-GPで聴いてみるつもり。
by afuroyan
| 2021-12-09 23:38
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