人気ブログランキング | 話題のタグを見る
きゃっぷとれた
811Aのアンプのお話です。

811Aはトッププレートの真空管なので最上部にキャップが出ていて専用のソケットで接続します。
JANの811A(これの一番左⇒とりたん しょのさん)を引っ張り出して久方ぶりに聴くかと交換したら
このキャップのソケットがやけに堅いきつい。こんなもんかな?と思っていたら「ミチッ」と嫌な音がして
キャップが取れてしまった。
きゃっぷとれた_f0125367_23514644.jpg
幸いプレートの配線の部分の封止は大丈夫だったので空気が中に入ることも無く、管下部のゲッターも問題ない。

何でこのソケット(よくあるセラミックの安いヤツ)はきついのかな?と思い811Aの規格表を見てみた。
代表的なものとしてRCAのやつを見ると、キャップの部分は「JEDEC No.C1-5」となっているのだけど、
大本営で規格原文を参照するにはログインしないといけない。面倒なので売っているお店のページを巡っていたら、
なんと、「約14mmサイズ(9/16インチ)用」という表記を見つけた。「9/16inch⇒14.29mm」が工業界(?)での
換算らしいから、まぁノギス精度だけど手持ちの各球のプレートキャップの径を測ってみた(2本ずつ、ダイタイの精度)。

 ・ロシア製(無印)811A:①13.90mm ②13.90mm
 ・中国製(曙光)811A:①14.15mm ②14.00mm
 ・中国製(Golden Dragon)GD-572B:①14.05mm ②13.90mm
 ・米国製(JAN エレクトリック・エンタープライズ)811A:①14.35mm ②14.35mm(今回キャップが取れたもの)

あと、4D32(アンプ本体作っていない<(_~_)> )も測ってみた。
 ・米国製(Raytheon)4D32:①14.35mm ②14.35mm
 ・英国製(EEV)4D32:①14.15mm ②14.15mm

驚くことに米国製は811Aも4D32も14.35mmで他の大陸製に比べて径が大きく太い。
英国製(EEVの4D32しか見ていないけど)は、まあ細い方(中国製と同じ)。

何だか「さてはインチだなオメー」的なにほいもする問題があるの鴨

という事で、今付いているソケットだと、米国製にはきついので部品箱からいかにもガイシ(にしたってセラミックだけど)みたいな
ソケット(National製?)が出てきて、これの嵌め合いがしっくりときたのでこれに付け替える(大陸製のには少し緩い)。
きゃっぷとれた_f0125367_23515243.jpg

さて、取れてしまったキャップ本体は製造時の接着剤はモロモロになってしまったので、必要な耐熱温度がよく判らないが、
耐熱温度250℃位という二液混合タイプのエポキシ接着剤で管体に接着する。モチロンその際には製造時の半田を取り除き、
プレートからの線材を配線用の穴から出しておく。
きゃっぷとれた_f0125367_23514925.jpg
きゃっぷとれた_f0125367_23515680.jpg
接着後は紙テープをはって固定/養生をしておく。
きゃっぷとれた_f0125367_23515988.jpg
あとは、接着剤が十分に硬化したのを確認して、キャップの上面に半田(残っている半田との事も考えて6:4の鉛入り半田とした)を流し、
プレートキャップにソケットを接続して動作試験。
きゃっぷとれた_f0125367_23590190.jpg
この鎧戸の様な放熱板が付いたタイプの米国製の811Aは、300Bと同じシルエットの管体(ST-19)で見栄えがする。
音も大陸製のそれらと比べて、細かい音をマメに出してきて情報量も僅かだけど多く音楽のノリのようなものも良いと思う。
善い球だ(もう1ペア欲しい鴨)。

by afuroyan | 2020-03-13 00:18 | audio | Comments(2)
Commented by tin_box at 2020-03-14 11:11
この場合は使えないでしょうが、私は最近BONDICってのを欲使っています。
ちょっとお高いんですが、付属の紫外線LED?で4秒で固まるんで重宝しています。
Commented by afuroyan at 2020-03-14 22:34
tin_boxさん、コメントをありがとうございます。
紫外線硬化樹脂の接着(充填)剤、こういう自作事をやっていると
欲しくなりますね。あ、そう言えば「歯医者」さんで、
なんかの練り物を付けて「光、当てますね」っていうやつも紫外線硬化樹脂だとおもいます
(怖いのでホトンド判らないでいます)。
結局、今回は30分硬化型で6時間で善しとしました<(_~_)>
<< いよかん!! いんどしき >>