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みらーずれをなおす
ひっかっかるで表面化した、一連のコシナの一眼レフのOEMモデル(XR-7MⅡ、XR-8系、FM10、FE10、とかとか他一杯)のミラーずれを修理する。

M42のレンズはやはり専用のカメラ(ウチで言うとBessaflex TM ブラック)で使うのが正解なのだろうか?  悩む。
と書いたが、実際Bessaflex TM ブラック(もちろん、一連のコシナの一眼レフのOEMモデル)はどうなんだろうと見てみるとこの有様。
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ミラー受けからミラーそのものが5mm位飛び出してしまっている。ミラー受けは下側にミラー止めが無い設計で、これはXR-7MⅡも同じ。

まずはスクリーンを保護するために厚紙で養生をする(チューブ入り生姜の空き箱を切り抜いていますね)。ミラーの表面が判る様に
油性マジック(後でアルコールで拭いて落とす)で印を入れておく。裏表を間違えるとミラーのガラスの厚さ分、光路が変わるから色々と面倒になる。
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次にカッターの刃をミラー受けとミラーの間に入れて、ミラーを剥がす。ミラーが割れるのも嫌だし、カッターの刃が折れるのも嫌なので慎重に。
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剥がしたミラーの裏側には楕円形の黒いおそらくは工業用の両面テープ。経年でダレてしまって下方向にミラーがずれてしまっているのが判る。
やはり重力には逆らえないのだ(マウントを上にして保存していれば大丈夫なのか?いやいやミラーアップダウンの遠心力でずれるの鴨)。
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ペイント薄め液(シンナーに準ずる溶剤)で、この円形の黒い両面テープ(?)を除去する。不織布みたいなみたいな芯が入っているので
これはピンセットでこそげ取った(あ、爪きちゃない・・・)。
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本体のミラー受けもこんな。黒い粘着物が付いているので、ペイント薄め液でキレイにする。この時ミラー受け奥の角についている
ミラーの当て止めのゴム様の部品に溶剤が付かない様に注意する(手前のミラー止めは無いけど、奥のミラーの当て止めは有る設計)。
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ムズカシイことは判らないけど、エポキシ系接着剤でミラー受けにミラーを接着してしまう。2液混合タイプの5分硬化型を使った。
多点付けにすれば硬化時のミラーへのストレス(最悪ミラー割れ)も少ないだろうし、円形の黒い両面テープ(?)の素材厚さにも
準じてくれると思う。ここで注意しなければならないのはミラーの表裏を間違えないようにすること。上記の様に面倒が発生する
(画像は接着後。ミラーにスクリーン養生の厚紙:チューブ入り生姜の空き箱:が写っている)。
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程々に接着剤が硬化したのでBにしてミラー位置を見てみる。
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まぁ、何とか良いようだ。後はミラーをアルコールでそっと拭いて油性マジックの印を落として、信頼(!)出来るレンズで無限遠を確認する。

以上、思いつき、身の回り品での素人修理で、モチロン純正の修理でもないので、大っぴらに勧められるものではない。

が、検索してみると一連のコシナの一眼レフのOEMモデルや京セラ_コンタックスのミラーずれは結構な数の検索結果がある。
勿体無いと思うのと同時に、10年程度の経年でこうなってしまうのも少し残念だと思った。

実はひっかかるの記事のXR-7MⅡを、このBessaflex TMの前に同じ手順で直しているけど、ホトンド同じ状態で円形の黒い両面テープ(?)が
ダレてミラーがずれていた。やはりミラーの下側にミラー止めを付けるべきだったと思うが、コストや工程の関係で出来なかったのかなぁ?

by afuroyan | 2017-12-25 20:42 | Photo Equipment | Comments(4)
Commented by 根本 at 2023-02-26 17:06 x
使えていたフレクトゴンでシャッターが切れなくなり途方に暮れていたら、この記事に出会いました。さっそく確認してみるとかなりズレて飛び出している模様。ただ私のものはレンズ外した際にミラーに引っかかって割れてしまっていました。2019年頃まではまだコシナが修理を受け付けていたらしいのですがまだ大丈夫か心配なところです。
Commented by afuroyan at 2023-02-26 19:19
根本さん、コメントをありがとうございます。
そうですね、フレクトゴンですと後玉がギリギリまで出ている感があります(35mm/F2.4とか)。
昔、使っていたRicoh XR-7MⅡではペンタコンの30mmやテッサーを使うとミラー下端が引っかかり傷だらけになりました。
もっとも、本記事内容はやっつけ素人仕事で積極的には勧められる方法ではありませんので、純正、コシナでの修理が望ましいです。
フィルムカメラを巡る環境が難しくなってしまった今でも、受け付けているのかどうかは判りませんが、
何としてもこれら優れたカメラをまた、使えるような環境を見出して行かねばならないとは思っております。
Commented by 関東管区 at 2023-03-19 02:45 x
初めまして!貴殿のページを拝見しました。理由は、オリンパスOM2000を久しぶりに防湿庫から出して電池検査をしたところバッテリーのSR44が電圧低下で露出計が動かず、新品に交換してシャッターを切っても切れず、レンズを外すと全部のシャッター速度で切れることを確認しました。
しかしながらレンズ付きの状態では全く切れず、Google検索で貴殿のページにたどり着きました。大変参考になりました。ただオリンパスはフイルムカメラの修理受付はもうダメでしょうから、自分でトライするか、修理専門店等にいらいするしかないでしょうね❓2023.03.19
Commented by afuroyan at 2023-03-19 11:48
関東管区さん、コメントをありがとうございます。
OM2000、全速フルメカニカルシャッターですね。ウチは星屋なのでせめてBだけでもメカニカル、そして全天を複数の画角でカバーしたかったので
電子シャッターでは無いメカニカルシャッター機が複数あります。このシリーズ、結構この不具合が目立つみたいですね。
新宿の某中古屋さんで見て回った時はかなりの数が、このミラーずれの傾向にあって閉口したものでした。
本記事の方法はかなり乱暴な方法です。自分がどうするか悩んでいた時は、ミラーAss’yを取り出してから加熱をして、両面テープを軟化させた後に
ミラーを元の位置まで戻すような工程の方もいらっしゃいました(今、ちょっと見つからない様です)。
いずれにしましても、本記事の方法は、全くスマートな方法では無いので純正の修理は難しくとも、専門の修理業者に頼んだ方が安全だと考えています。
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