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ろくびーえむはち
エレキットのTU-870シリーズでお馴染みの6BM8例の箱から幾種類か出てきた。高μの3極管と、6BQ5よりも
かなり小さめの5極管が組み合わされた複合MT管。今でも市場には沢山出回っている。

さて年末に我が家の6BM8シングルを掃除した。基本設計は80年代(笑 以前、LDKで使っていたので、油埃で
ベタベタだった。マジックリンで拭き掃除をして塗装を補修、怪しげな半田付けをやり直してやれば、まあ見られる
レベルになった。このアンプで幾種類かの6BM8を聴いてみる。

こんな環境で聴いてみた。
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このアンプは単管で電圧増幅と電力増幅をやってしまうから球の違いを聴いてみるにはもってこい? 球の前方にある
ヒートシンク状のものは自己バイアスのカソード抵抗。熱くなるのでデールの貫通型を使いケースの外へ出している。
スピーカーはこれ。ソフトは左からスザンヌ・ヴェガの「Solitude standing」、ホグウッド指揮のの擬古典主義の作品集、
アート・ペッパーの「The Art of Pepper 」、ジェニファー・ウォーンズの「The Hunter 」。最後の 「The Hunter 」は
最近出た盤は持っていないので最初の国内盤。例によって各盤からチョイチョイ、ツマミ食いする。

各真空管は手前が5極管部を上にして奥が3極管部を上にして撮っている。デジカメを三脚で固定して撮影したから
各真空管の縮尺はそう違わないと思う。
ただ、使い込んだ球と殆どNOS(笑 の球とが混在しているのでその辺りは考えて置かなくてはならないかもしれない。
あと、プレートに窓が開いているけど個数の勘定は見える側のみ。シールド板(3極管部と5極管部の間)に面した側は
分解しないとはっきりとは判らないので見える側のみとした。



①RSD
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旧東ドイツ製らしい。5極管部の丸い窓が特徴的。3極管部は小さな角窓が2つあるだけ。比較的前に出てくる音だけど、
定位が確かでボーカルやオケの木管楽器や独奏ピアノの実在感がある。が、ベースラインが少し膨らむからかアート・
ペッパーはノリが少し重い気がする。ピアノが引きずる。消費税が無い時代の秋葉原で1本500円だったと思う。


②ナショナル
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松下のナショナルではなくて米リチャードソンの方。どう見ても①のRSDと同じ。これは殆どNOS(笑  じゃあ①と同じ
音かというと、なんだか違う。基本同じなんだけど滑らかでエコー成分が長く滞留する。ベースラインは太いのだが、
リズムの縦がビシビシ決まるので、引きずらない。コレは良い。


③ソブテック
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天下のソブテック。1本480円!! RUSSIAのプリントがあるからソ連崩壊後のロシア製?恐らくはリフレクター工場製。
ギターとか打楽器のアタックがバチーンとキツイ。ザラツキも目立ち粗っぽい。でも、ボーカルが随分と下に定位するのが
不思議。逆相成分(フワッとした拡がり成分みたいな感じ)が良く出る。まぁ、如何せん粗い感じが目立つ。


④ジーメンス しょの1
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欧州系の球では定番のドイツ、ジーメンス(英語読みではシーメンスらしい)。でも、中身はどう見てもソブッテックと同じ。違いも有る。
良く観るとピンはメッキしてあり、5極管部のプレートを合わせているカシメの曲げる方向が違う。3極管の
方で曲げている。もっとも、5極管部のプレートは対称形で上下裏表をひっくり返しても良い様な気もする。
組み立て時の指図書に指定が無いのだろうか?
音は基本的には③のソブテックと同じだけど、粗さは少ない。奥行きが出てくるので人によってはボーカルが引っこんだ
と評するかもしれないがコレが正解だと思う。ボーカルにまとわりつく電子的なエフェクトが良く分離される。
これを聴いている時点では、オケはこの球が一番良いとメモっている。


⑤インターナショナルC しょの1
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電極構造、ステムへの配線を見てもソブッテクと同じ。ピンにはメッキがしてある。U.S.S.R.なんてプリントがあるところを
見ると旧ソ連時代の製造なのだろうか?旧ソ連の崩壊は’91年で、これらを秋葉原で買っていたのもその頃だから、
そういう事も考えられる。音はなんだかしょぼい。フワッとアンビエントは出ているのだけど音の芯というか実在感が希薄。
オケなんか楽器の数が減っちゃった感じ。殆どNOS(笑 のつもりなんだけどエミ減の時の感じに似ている。
これはいただけない。ヒーターエージングすればエミッションが良い具合になってシャキッとするのかなぁ?


⑥インターナショナルC しょの2
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これは、他の6BM8と比べると電極もMT管の全長も小さい。検索するとRCA(新ロゴ)のは見つかるけどちょっとあまり
他の情報が見つからない。プレートも小さくて窓も無くこれで本当に6BM8なのか?と訝しく思ってしまうほど。
あまり気乗りしない音だった。出てる音は出ているみたいなんだけど、抑揚が少なくて生気が無い。スザンヌ・ヴェガが
最近のボーカロイド(だっけ?)みたいで変。アート・ペッパーはオルゴールの繰り返しみたいに聴える。これは嫌だ。
小さい外見からくる偏見で嫌だな~というレベルではなく、明らかに変な音というレベル。左右を入れ替えてバイアスを
点検しても変な音。弱った┐(´~`;)┌


⑦松下
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白箱。5極管部に角窓が1個。3極管部に小さな角窓が2つ。上部マイカ板の上、ゲッターリングが天使の輪みたいに
飛んでいるだけで、追加の電極放熱板は無い。松下や次の東芝は通側用とかHiFi用とかの用途区別があったような
気がするけど、これは何用かは不明。細かい音が良く出る。シルキーと言っても良いかも。良く聴いていくとちょっとだけ
平面的な感じがする。薄い?いや、あっさりとしていてアート・ペッパーなんかさらっと通り過ぎてしまう。ここが惜しい。
実に惜しい。もっと、怪しげなパーツを使ってムッとしたノイズを付けてやって、音作りとやらをすれば良いかも(大違


⑧東芝
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箱ボロボロ。それでも1本1500円。こちらのページを拝見すれば後期のものであることが伺える。特徴的なのは3極管部
と5極管部の間、シールド板の端がコの字に曲げてあること。また上部マイカ板の上に追加の電極放熱板がある。
良い良い。英語が苦手な僕でも歌詞が良く判るし、オケなんか前にジーメンスが良いなんて書いたけど、これ聴いたら
他のトラックまで聴き進めてしまった。ジェニファー・ウォーンズのこのアルバム、確かに良いアルバムだ。ショーなどで
聴いても、今ひとつ良く鳴っているのには出会えなくて、家に帰って「ザマーミロ」とアカンべーの気分で聴いていたけど、
この東芝ならグレイト!!


⑨ジーメンス しょの2
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実は大本命で一番最後に残しておいた。5極管部のカシメの方向や、シールド板が違うが殆ど東芝と一緒の構造。
こちらがオリジナルで東芝がセカンドかもしれない。ECL82という欧州名からドイツ、ジーメンスに期待をしていたので
ワクワクドキドキ。良いよ。良いよ。東芝とどっちが良いかといわれれば、こちらを選ぶ人が多いかもしれない。細かい音も
出るし、定位も自然でしっかりとしている。何より音楽が楽しい。オケの拡がりがちょっと少ないけどこれは好みの問題だと
思う。正しい音(この表現は難しい問題を含んではいるが)がする。聴いた後、この角ばった5極管部の形を見ていたら
EL34のそれを思い出した。先の参照ページにもあるようにMullard 、Philips辺りが開発したのだろうなと思う。

さて、順位をつけるのはナンセンスかなとも思うけど東芝が一番良かった。次はジーメンス しょの2。でもこれは僕だから
この順番になっただけの事。3位はナショナル(リチャードソン)。球のコンディション無視で付け替えヒートアップ5分で
どんどん聴いていったから、ハンデ.のある球があったかもしれない。インターナショナルC しょの2 の球を変だ変だと
騒いでみたけどウマい動作点を見つければ良く鳴るのかもしれない。

TELEFUNKENやMullardのを今すぐ探し回ることもないと思うが、今回の試聴で6BM8は3W程度しか出ないケチな
傍熱複合管、それも限りなく「駄球」に近い「普及・入門・お遊び管」というどこかでの評価は不当であることも判った。
ただ、やっぱりスピーカーが低能率なのが気になる。90dB/W/mを優に越えるものがフルレンジ(マルチアンプでない
という意味で)で用意できれば今回のようなシンプルなアンプをメインアンプとしても良いのではないかとすら思える。

次はスピーカーの高能率化ですかね・・・・604?ローサー?ラウザー?グッドマン?バックロード?ん?ん?ん?
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by afuroyan | 2011-01-04 15:08 | audio | Comments(7)